計算ツール
レイノルズ数計算
管内流れを想定し、密度、平均流速、管径、動的粘度からレイノルズ数を計算します。
本文更新日: 2026-08-27
今回の更新: Re 2300・4000の区分が資料・外乱条件で変わる目安であることを、NASAとNISTの公開資料を分けて示しました。
作成・確認: CalcChem 運営者
この計算を選ぶ前の判断
値を入れる前に、単位、基準、物性値、適用範囲が手元の資料や仕様書と合っているか確認してください。
- 最初に、流量ではなく管断面平均流速を入力できるか確認してください。密度と動的粘度は、同じ流体・相・組成・温度・圧力条件に対応する値を使ってください。
- 非ニュートン流体、二相流、スラリー、代表長さを決められない流れでは、この式で流れの状態を判定しないでください。
最初に確認するガイド
最初に確認する理由: Re に使う密度・比重の温度条件と基準物質を確認したいとき。
計算フォーム
流れの条件をそろえて確認できること
管内流れを想定し、密度、平均流速、管径、動的粘度 μ からレイノルズ数を計算します。 レイノルズ数は、流体の慣性力と粘性力の比を表す無次元数です。
適用範囲
円管内の単相・ニュートン流体について、平均流速、内径、同一条件の密度・動的粘度がそろうときに、Reの桁と流れの目安を確認します。 動粘度nu入力、流量から流速の自動計算、非円管の水力直径、非ニュートン流体、圧力損失、摩擦係数、Moody線図、粗さ、物性データベース、流体名からの密度・動的粘度自動取得、温度依存物性推算は扱いません。
最初の分岐: 流量ではなく平均流速を入力できるか
レイノルズ数の式に入るのは、円管断面での平均流速、管内径、同一条件の密度・動的粘度です。流量、呼び径、動粘度だけが分かる段階では、先に必要な値を整理します。
表は横にスクロールできます。
| 手元の情報 | 進める状態 | 先に止まる状態 |
|---|---|---|
| 体積流量 | 内径または断面積から平均流速を求められる | 流量をそのまま m/s として入れそうな場合 |
| 粘度 | 動的粘度 mu と同条件の密度が分かる |
cSt や mm2/s を動的粘度として扱う場合 |
| 代表長さ | 円管の内径が分かる | 非円管・開水路・装置内流れで代表長さが未決定 |
| 流体条件 | 単相・ニュートン流体として扱える | 二相流、スラリー、非ニュートン流体 |
入力前チェック
- 密度・動的粘度が、対象温度と組成に対応する値か確認します。
- 流速 v は管断面平均流速です。流量しかない場合は、管断面積で割って別途 v を求めます。
- 円管の代表長さ D は、原則として内径を使います。
- 動的粘度 μ と動粘度 ν を取り違えていないか確認します。
式の選び方
このツールでは、円管内流れの基本式 Re = rho × v × D / μ を使います。
入力値はすべて同じ温度・組成・流れ条件に対応している必要があります。
表は横にスクロールできます。
| 目的 | 使う考え方 | 止める条件 |
|---|---|---|
| 円管内流れのReを概算する | 密度、平均流速、内径、動的粘度を使う | 管内流れでない、代表長さが不明 |
| 流量からReを出したい | 先に断面積から平均流速を求める | 流量をそのまま流速欄へ入れそうな場合 |
| 動粘度から計算したい | 密度を使って動的粘度へ直す | 密度と粘度の温度条件が違う場合 |
| 非円管や非ニュートン流体を扱う | 別の代表長さや粘度モデルが必要 | このツールの範囲を超える場合 |
Reは流れの状態を考える入口として有用ですが、圧力損失、摩擦係数、熱移動、設計可否を直接決める式ではありません。
よくある誤入力例
- 体積流量や質量流量を、平均流速 v としてそのまま入力する。
- 動粘度 ν の値を、動的粘度 μ の欄へ入力する。
- 外径、呼び径、任意の装置寸法を、確認せず管内径 D として使う。
- Reの層流・乱流目安だけで、圧力損失や設計可否まで判断する。
式と単位の検算例
密度 1000 kg/m3、平均流速 1 m/s、内径 50 mm、動的粘度 1 mPa s と仮定すると、
Re = rho v D / mu = 50000 です。この例は、式、単位、桁を検算するための固定条件であり、
特定流体の物性標準値や、どの温度・組成でも使える代表値を示すものではありません。
水、空気、粘性の高い液体でReの見え方を比較したい場合は、レイノルズ数と粘度の確認ガイドを確認してください。実務では、対象の温度、組成、相、出典条件に対応する密度と動的粘度を入力します。
入力値を作るときの実務例
資料に体積流量だけがある場合、このフォームにそのまま入力する値はまだありません。
たとえば10 L/minが内径20 mmの円管を流れるなら、まず10 L/min = 1.6667e-4 m3/s、
A = pi * 0.020^2 / 4 = 3.1416e-4 m2、v = Q / A = 0.531 m/sとして平均流速を
別途求めます。ここで使うDは原則として管の内径であり、呼び径や外径をそのまま
使わないでください。
物性表に1 cStや1 mm2/sとある場合、それは多くの場合、動粘度νです。このツールが
求めるのは動的粘度μなので、直接入力しないでください。密度が1000 kg/m3で
ν = 1 cSt = 1e-6 m2/sと確認できる場合だけ、別途μ = rho * ν = 0.001 Pa s
(1 mPa s)として入力値を作れます。
資料に次のような値だけがある場合は、まだフォームへ直接入力する段階ではありません。
表は横にスクロールできます。
| 資料にある値 | 先に確認すること | このページで扱う入力値 |
|---|---|---|
20 L/min と配管サイズ |
管内径、断面積、平均流速への換算条件 | 平均流速 v と内径 D |
1 cSt や 1 mm2/s |
動粘度か動的粘度か、対象温度の密度 | 動的粘度 μ |
| 呼び径や外径 | 実際の管内径、ライニングや肉厚 | 代表長さとして使う D |
Reの層流・遷移域・乱流の表示は、円管内流れの目安です。Reだけで圧力損失、熱移動、 混合、スケールアップ、安全、品質の可否を決めないでください。非円管、非ニュートン流体、 二相流、入口助走区間などは、代表長さや粘度の扱いが変わるため、このページの計算範囲外です。
このツールが判断しないこと
非円管の水力直径、入口助走区間、配管粗さ、摩擦係数、圧力損失、非ニュートン流体の見かけ粘度は このツールでは判断しません。物性値はSDS、物性表、測定データなどから、対象温度と組成に合う値を 選んでください。
実務上の注意
粘度は動的粘度 μ を入力します。密度・動的粘度は入力値をそのまま使い、物性データベースや 温度依存の推算は行いません。物性値は温度や組成に依存します。
質量流量kg/hや体積流量を、そのまま流速m/sとして入力しないでください。動粘度νを動的粘度μ欄へ 入れる、外径や任意の長さを管径Dとして使う、といった取り違えにも注意してください。
Re < 2300、2300 <= Re < 4000、Re >= 4000 の表示は、十分に発達した単相・ニュートン流体の円管内流れで使われる代表的な目安です。入口条件、乱れ、粗さ、配管形状、助走区間によって遷移域は変わるため、Reだけで流動状態を確定したり、設計判断をしたりしないでください。非ニュートン流体や管内流れ以外では、式や代表長さの扱いも変わります。圧力損失や摩擦係数は本ツールでは扱いません。
根拠と確認資料の見方
このページは、円管内流れを前提に Re = rho × v × D / μ でレイノルズ数を確認します。
rho は密度、v は管断面平均流速、D は原則として管内径、μ は動的粘度(Pa s)です。
物性表に動粘度 ν [m2/s] が載っている場合は、そのまま動的粘度欄へ入力しないでください。
入力前には、SDS、物性表、メーカー資料、測定データ、配管図、データシート、流量記録などで、 密度と動的粘度が対象温度・組成に合っているか、管径を内径として扱えるか、流速が平均流速として 整理されているかを確認してください。
層流、遷移域、乱流の表示は円管内流れの一般的な目安です。圧力損失、摩擦係数、熱移動、 非ニュートン流体、二相流、入口助走区間、設計可否の判断はこのツールでは扱いません。
公開資料でも区分値は完全には一致しません。NASAの管路資料は外乱による遷移を通常Re 2300から4000の 範囲として説明し、NISTの建築配管モデル資料はRe 2000未満を層流、4000超を乱流、その間を予測困難と しています。CalcChemは表示規則として2300と4000を採用しますが、この差も含め、区分値を普遍的な 流動境界や設計判定として扱わないでください。
計算仕様・検算例
このツールで使う式、変数、単位、検算用の入力条件です。計算条件を採用してよいかは、本文と一次資料で確認してください。
このページで使う主な式
レイノルズ数:
Re = rho × v × D / μ
最初に確認する前提: 管内流れを想定した基本計算です。
すべての式・変数・単位・検算例を表示する
使用する式
レイノルズ数
Re = rho × v × D / μ
- 管内流れを想定した基本計算です。
- 粘度は動的粘度 μ [Pa s] を入力します。動粘度 ν を使う形式は扱いません。
- 密度、動的粘度は入力値をそのまま使い、物性データベースや温度依存推算は使いません。
変数定義
表は横にスクロールできます。
| 記号 | 名称 | 説明 | 標準単位 |
|---|---|---|---|
| Re | レイノルズ数 | 慣性力と粘性力の比を表す無次元数です。 | - |
| rho | 密度 | 流体の密度です。 | kg/m3 |
| v | 平均流速 | 管断面平均の流速です。 | m/s |
| D | 代表長さ | 管内流れでは内径です。 | m |
| μ | 動的粘度 | 流体の動的粘度 μ です。 | Pa s |
単位上の注意
- 密度はkg/m3、流速はm/s、管径はm、動的粘度はPa sへ内部換算します。
- 動粘度 ν を使う Re = vD/ν は扱いません。
- 流量から流速を求める場合は、流量と管断面積から別途計算してください。
- 円管の管径Dは、原則として外径ではなく内径を使います。
- 質量流量kg/hや体積流量を、そのまま平均流速m/sとして入力しないでください。
- Re < 2300、2300 <= Re < 4000、Re >= 4000 の表示は、単相・ニュートン流体の円管内流れにおける目安です。入口条件、乱れ、粗さ、助走区間で遷移域は変わるため、設計判断そのものではありません。
例題
例題の数値は、式・単位・計算手順を再現して確認するための条件です。実在物質名を含む例でも、 仕様値、保証値、設計値を示すものではありません。実務では対象条件に対応する一次資料を確認してください。 表示桁は計算結果の再現用であり、入力値や近似式の精度を保証する有効桁ではありません。 例題カードは各例題で定めた桁の検算値を示し、再計算結果は共通の8有効数字で表示するため、末尾ゼロや表示桁が異なる場合があります。 確認欄があるツールでは、例題リンクは値と単位だけを反映します。前提を確認して確認欄を選び、計算してください。
水相当の管内流れ
Re = 1000 × 1 × 0.05 / 0.001 = 50000 です。
入力条件
- 密度 rho
- 1000 kg/m3
- 平均流速 v
- 1 m/s
- 管径 D
- 0.05 m
- 動的粘度 μ
- 0.001 Pa s
計算基準
- 適用条件の確認
- 管内の単相・ニュートン流体を対象とし、密度と動的粘度が同じ条件に対応することを確認した
検算時の結果
- レイノルズ数
- 50000 -
空気相当の管内流れ
Re = 1.2 × 10 × 0.05 / 0.000018 = 約33333です。
入力条件
- 密度 rho
- 1.2 kg/m3
- 平均流速 v
- 10 m/s
- 管径 D
- 0.05 m
- 動的粘度 μ
- 0.000018 Pa s
計算基準
- 適用条件の確認
- 管内の単相・ニュートン流体を対象とし、密度と動的粘度が同じ条件に対応することを確認した
検算時の結果
- レイノルズ数
- 33333.333333 -
粘い液体の低Re例
Re = 1200 × 0.2 × 0.02 / 1 = 4.8です。動的粘度が高いと同じ管径・流速でもReは小さくなります。
入力条件
- 密度 rho
- 1200 kg/m3
- 平均流速 v
- 0.2 m/s
- 管径 D
- 0.02 m
- 動的粘度 μ
- 1 Pa s
計算基準
- 適用条件の確認
- 管内の単相・ニュートン流体を対象とし、密度と動的粘度が同じ条件に対応することを確認した
検算時の結果
- レイノルズ数
- 4.8 -
FAQ
管径Dには何を入れますか?
円管内流れでは、原則として管の内径を入力します。外径や任意の長さを使うとReが変わります。
流量しか分からない場合はどうしますか?
流量を管断面積で割り、管断面平均流速vを別途求めてから入力してください。
非円管や開水路にも使えますか?
このツールは円管内流れの基本計算を想定しています。非円管では水力直径の定義、開水路では代表長さや式の前提が変わるため、適用する式を別途確認してください。
参考資料と確認範囲
このページの式、単位、定義、入力条件、適用範囲を確認するために参照した資料です。各資料が支える範囲は「確認範囲」に示します。個別の物性値、製品仕様、法規、設計条件については原典を確認してください。
-
NASA Glenn Research Center: Reynolds Number
確認範囲: Re = rho v L / mu の無次元数としての定義と、密度・速度・代表長さ・動的粘度の関係
資料確認日: 2026-07-17
-
NASA Technical Report: Considerations in the Design and Operation of Slurry Pipelines
確認範囲: 円管流れの遷移に対応するReが、外乱などの条件により通常2300から4000の範囲になり得ること。ページ内の流動様式表示を設計判定ではなく目安として限定する根拠
資料確認日: 2026-07-19
-
NIST: Reference Building Plumbing Model Properties
確認範囲: 建築配管モデルでRe 2000未満を層流、4000超を乱流、2000から4000を予測困難とする区分例。CalcChemの2300・4000表示が普遍的境界ではなく資料により区分が異なることの確認
資料確認日: 2026-08-27
-
IUPAC Gold Book: dynamic viscosity
確認範囲: 動的粘度 mu の定義。動粘度を直接入力しない理由の確認
資料確認日: 2026-07-17
次に確認する計算
今の入力・結果に必要な条件だけを補います。
動粘度・動的粘度の換算
密度と動粘度または動的粘度から、mu = rho nu、nu = mu / rho の関係で粘度の基準を換算します。cSt、cP、mPa s の取り違えを防ぐため、温度・相・組成・出典条件の確認を重視した実務向けツールです。
次に確認する理由: Re = rho v D/mu に使う動的粘度と動粘度を、密度条件と併せて整理したいとき。
流量換算
同じ状態でのm3/s、m3/h、L/minなどの体積流量を相互に換算します。質量流量やNm3・Sm3・Am3は、別の条件確認が必要です。
次に確認する理由: 流量から平均流速を求める前に、質量流量・体積流量と密度を確認したいとき。
温度換算
℃、K、°Fを相互に換算し、温度そのものと温度差を分けて確認します。熱力学計算で必要な絶対温度Kの扱いも整理できます。
次に確認する理由: 粘度や密度の資料に対応する温度を、温度値と温度差を混同せずに確認したいとき。
ここでは次に確認しやすい関連計算だけを表示しています。ほかの計算は 計算ツール一覧 から目的別に探せます。
続けて確認するガイド
現在の条件で不足している前提、単位、適用範囲だけを確認します。
ここでは入力前に特に確認しやすいガイドだけを表示しています。ほかの前提確認は ガイド一覧 から探せます。