計算ツール
物質を選ぶ気体密度計算
酸素、窒素、水素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、乾燥空気から対象を選び、レビュー済み分子量と入力した温度・絶対圧・圧縮係数Zを使って気体密度を概算します。分子量の出典と実際に使用したZを結果に表示し、単一気相、組成、理想気体近似の条件が不明な場合は計算を止めます。
本文更新日: 2026-08-29
今回の更新: NIST掲載の純物質分子量と米国標準大気1976の乾燥空気代表分子量を選択し、rho=PM/(ZRT)で密度を計算する初版を公開しました。
作成・確認: CalcChem 運営者
この計算を選ぶ前の判断
値を入れる前に、単位、基準、物性値、適用範囲が手元の資料や仕様書と合っているか確認してください。
- 物質選択で決まるのは分子量だけです。対象が同じ化学種・乾燥空気基準か、単一気相か、圧力が絶対圧かを確認してください。
- Z = 1は理想気体近似です。高圧、低温、凝縮性、必要精度によっては出典Z、状態方程式、物性資料へ戻ってください。
- 乾燥空気28.9644 g/molは米国標準大気1976の代表値です。湿り空気、工程空気、分析組成がある混合ガスには使いません。
- 1 MPa以上と273.15 K以下は、相・Z・出典条件を再確認するCalcChem上の注意喚起目安です。法令上の閾値や全物質共通の適用限界ではありません。
最初に確認するガイド
最初に確認する理由: 圧力、温度、dry/wet、基準状態を式へ入れる前にそろえたいとき。
計算フォーム
このページで先に決めること
このページは、対象物質を選び、分子量の転記ミスを減らして気体密度を概算する計算ページです。 酸素、窒素、水素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウムはNIST Chemistry WebBookの分子量を使い、 乾燥空気は米国標準大気1976の代表分子量を使います。
物質を選んでも、温度、圧力、相、純度・組成、圧縮係数Zは自動では決まりません。対象条件が
不明な場合は、物質名だけを根拠に計算を進めないでください。
3つの気体密度ツールを使い分ける
表は横にスクロールできます。
| 手元にある情報 | 使うページ | このページで確定すること |
|---|---|---|
| 公開候補から単一気体または乾燥空気を選びたい | このページ | レビュー済み分子量を選択し、P、T、Zから密度を計算 |
| 出典で確認した任意の分子量がある | 理想気体の密度計算 | ユーザー入力分子量からZ = 1で概算 |
| mol%またはモル分率の分析組成がある | 混合気体の平均分子量・密度計算 | 平均分子量を計算し、P、T、Zから密度を計算 |
「空気」という名称しかなく、湿度、工程成分、dry/wet基準が分からない場合は、どの経路でも採用値を 決められません。資料へ戻って組成基準を確認します。
選択値は密度表ではなく分子量入力
表は横にスクロールできます。
| 選択肢 | 式へ入れる分子量 | 選択を止める例 |
|---|---|---|
酸素 O2 |
31.9988 g/mol | 酸素濃度、純度、相が対象資料と一致しない |
窒素 N2 |
28.0134 g/mol | 窒素以外を含む工程ガスを単一成分として扱おうとしている |
水素 H2 |
2.01588 g/mol | 組成、相、実在気体性、安全条件を確認していない |
二酸化炭素 CO2 |
44.0095 g/mol | 凝縮・固化、相状態、Zを確認していない |
アルゴン Ar |
39.948 g/mol | 混合ガスの分析値を単一成分に置き換えようとしている |
ヘリウム He |
4.002602 g/mol | 純度、相、必要精度が不明 |
| 乾燥空気(米国標準大気1976) | 28.9644 g/mol | 湿り空気、工程空気、実測組成が別にある |
この表は密度値の一覧ではありません。選択した分子量をkg/molへ換算し、入力した条件ごとに
rho = PM/(ZRT)を計算します。
計算を進める順番
- 対象の化学種、乾燥空気基準、純度・組成を資料で確認します。
- 圧力をゲージ圧ではなく絶対圧へそろえます。
- 温度を状態温度として入力します。温度差を入力しません。
Z = 1の理想気体近似でよいか、同じ条件の出典Zが必要かを決めます。- 結果欄の分子量と
Zが、採用しようとした条件と一致するか照合します。
Zの出典、相状態、組成のいずれかが不明なら、数値を仮置きせず停止します。
結果の検算方法
手計算では、圧力をPa、分子量をkg/mol、温度をKへそろえます。例えば乾燥空気の代表条件
P = 101325 Pa、M = 0.0289644 kg/mol、T = 288.15 K、Z = 1では、
rhoは約1.2250 kg/m3です。これは米国標準大気1976の海面条件との演算整合を確認する例で、
任意の室内空気、圧縮空気、工程空気の保証密度ではありません。
このページで判断しないこと
- 入力条件で最適な状態方程式または
Zを選ぶこと - 気液平衡、凝縮、固化、解離、反応を判定すること
- 湿度、純度、グレード、工程組成を物質名から推定すること
- ボンベ充填量、配管・容器設計、安全、法規、品質保証、購買仕様を決めること
- 選択肢にない物質の分子量や物性値を自動補完すること
条件が不足する場合は、気体計算前の圧力・温度・基準チェック へ戻ります。混合組成がある場合は、単一物質を選ばず 混合気体の平均分子量・密度計算へ進んでください。
計算仕様・検算例
このツールで使う式、変数、単位、検算用の入力条件です。計算条件を採用してよいかは、本文と一次資料で確認してください。
このページで使う主な式
選択物質の分子量を使う気体密度:
rho = P * M / (Z * R * T)
最初に確認する前提: Mは選択した化学種、または米国標準大気1976の乾燥空気代表値に対応する分子量です。
すべての式・変数・単位・検算例を表示する
使用する式
選択物質の分子量を使う気体密度
rho = P * M / (Z * R * T)
- Mは選択した化学種、または米国標準大気1976の乾燥空気代表値に対応する分子量です。
- Pは絶対圧Pa、Tは絶対温度K、Mはkg/molへそろえて計算します。
- R = 8.31446261815324 J/(mol K)を使います。
- Z = 1を選ぶ場合は理想気体近似です。出典Zを選ぶ場合は同じ物質・温度・絶対圧・組成条件の値だけを使います。
- 相平衡、反応、解離、混合組成、湿度、純度、状態方程式の選定は行いません。
変数定義
表は横にスクロールできます。
| 記号 | 名称 | 説明 | 標準単位 |
|---|---|---|---|
| rho | 気体密度 | 選択物質の分子量と入力条件から計算する質量密度です。 | kg/m3 |
| P | 絶対圧 | 入力した気体の絶対圧です。 | Pa |
| M | 分子量 | カタログでレビュー済みの選択値です。表示はg/mol、計算内部ではkg/molへ換算します。 | g/mol |
| Z | 圧縮係数 | 理想気体近似では1、出典値を使う場合は入力条件に対応する値です。 | - |
| R | モル気体定数 | 8.31446261815324 J/(mol K)を使います。 | J/(mol K) |
| T | 絶対温度 | 入力温度をKへ換算した値です。 | K |
単位上の注意
- kg/m3とg/Lは数値が同じです。表示単位だけが異なります。
- 分子量g/molは計算内部でkg/molへ換算します。
- atmは101325 Paとして換算します。
- 圧力は絶対圧です。MPaGや真空計の値はそのまま入力しません。
例題
例題の数値は、式・単位・計算手順を再現して確認するための条件です。実在物質名を含む例でも、 仕様値、保証値、設計値を示すものではありません。実務では対象条件に対応する一次資料を確認してください。 表示桁は計算結果の再現用であり、入力値や近似式の精度を保証する有効桁ではありません。 例題カードは各例題で定めた桁の検算値を示し、再計算結果は共通の8有効数字で表示するため、末尾ゼロや表示桁が異なる場合があります。 確認欄があるツールでは、例題リンクは値と単位だけを反映します。前提を確認して確認欄を選び、計算してください。
乾燥空気: 米国標準大気1976の海面条件を演算確認する
米国標準大気1976の海面条件P=101325 Pa、T=288.15 K、分子量28.9644 kg/kmolと整合するかを確認する例です。湿り空気や工程空気の密度を保証する例ではありません。
入力条件
- 圧力(絶対圧)
- 101325 Pa
- 温度
- 15 ℃
計算基準
- 計算対象の気体
- 乾燥空気・米国標準大気1976(28.9644 g/mol)
- 圧力基準の確認
- 入力する圧力は絶対圧であることを確認した
- 物質・相・組成条件の確認
- 選択物質、相、純度・組成が計算対象の気体条件に対応することを確認した
- 圧縮係数Zの扱い
- Z = 1の理想気体近似を使う
- 理想気体近似の確認
- 入力条件で単一気相としてZ = 1の理想気体近似を使うことを確認した
検算時の結果
- 計算に使用した分子量
- 28.9644 g_mol
- 計算に使用した圧縮係数Z
- 1 -
- 気体密度
- 1.2250 kg/m3
酸素: 25℃・1 atmで理想気体近似を確認する
NIST掲載分子量を使った式・単位の演算確認です。酸素の純度、供給仕様、安全条件、実在気体密度を保証しません。
入力条件
- 圧力(絶対圧)
- 1 atm
- 温度
- 25 ℃
計算基準
- 計算対象の気体
- 酸素 O2(31.9988 g/mol)
- 圧力基準の確認
- 入力する圧力は絶対圧であることを確認した
- 物質・相・組成条件の確認
- 選択物質、相、純度・組成が計算対象の気体条件に対応することを確認した
- 圧縮係数Zの扱い
- Z = 1の理想気体近似を使う
- 理想気体近似の確認
- 入力条件で単一気相としてZ = 1の理想気体近似を使うことを確認した
検算時の結果
- 計算に使用した分子量
- 31.9988 g_mol
- 計算に使用した圧縮係数Z
- 1 -
- 気体密度
- 1.3079 kg/m3
水素: 25℃・1 atmで理想気体近似を確認する
NIST掲載分子量を使った演算確認です。可燃性評価、供給仕様、充填量、実在気体密度の代用にはしません。
入力条件
- 圧力(絶対圧)
- 1 atm
- 温度
- 25 ℃
計算基準
- 計算対象の気体
- 水素 H2(2.01588 g/mol)
- 圧力基準の確認
- 入力する圧力は絶対圧であることを確認した
- 物質・相・組成条件の確認
- 選択物質、相、純度・組成が計算対象の気体条件に対応することを確認した
- 圧縮係数Zの扱い
- Z = 1の理想気体近似を使う
- 理想気体近似の確認
- 入力条件で単一気相としてZ = 1の理想気体近似を使うことを確認した
検算時の結果
- 計算に使用した分子量
- 2.01588 g_mol
- 計算に使用した圧縮係数Z
- 1 -
- 気体密度
- 0.082397 kg/m3
仮想入力: 窒素に出典Z=0.95を入力する操作確認
Z入力分岐を確認する仮想例です。0.95を窒素のこの条件に対する推奨値として示すものではありません。実務では同じ物質・温度・絶対圧・純度条件の出典Zだけを使ってください。
入力条件
- 圧力(絶対圧)
- 101325 Pa
- 温度
- 25 ℃
- 圧縮係数Z(出典値を使う場合のみ)
- 0.95
計算基準
- 計算対象の気体
- 窒素 N2(28.0134 g/mol)
- 圧力基準の確認
- 入力する圧力は絶対圧であることを確認した
- 物質・相・組成条件の確認
- 選択物質、相、純度・組成が計算対象の気体条件に対応することを確認した
- 圧縮係数Zの扱い
- 出典に基づくZを入力する
- 出典Zの条件確認
- Zが選択物質、温度、絶対圧、組成・純度に対応することを確認した
検算時の結果
- 計算に使用した分子量
- 28.0134 g_mol
- 計算に使用した圧縮係数Z
- 0.95 -
- 気体密度
- 1.2053 kg/m3
FAQ
理想気体の密度計算との違いは何ですか?
理想気体の密度計算は、ユーザーが確認済みの分子量を入力する汎用式です。このページは公開済み7候補から物質を選び、レビュー済み分子量と出典を結果に残します。任意物質の検索や保証値の参照には対応しません。
乾燥空気を選べば室内空気や圧縮空気にも使えますか?
そのままは使いません。乾燥空気28.9644 g/molは米国標準大気1976の代表値です。湿度、二酸化炭素濃度、工程由来成分、分析組成が異なる場合は、同じdry/wet基準の組成を確認して混合気体密度計算を使います。
Zは空欄のままでよいですか?
Z = 1の理想気体近似を選び、その近似を使えることを確認した場合は空欄で構いません。出典Zを選んだ場合は、選択物質、温度、絶対圧、純度・組成に対応する0より大きい値が必須です。
選択肢にない気体は計算できますか?
このページでは計算しません。確認済み分子量がある単一気体は理想気体の密度計算、分析組成がある混合気体は混合気体の平均分子量・密度計算を使ってください。
設計密度やボンベの充填量に使えますか?
使えません。このページは入力条件に対する概算・検算です。設計、安全、法規、品質保証、購買、充填量の最終判断には、適用範囲が確認できる物性資料、状態方程式、規格、メーカー資料、専門家確認を使ってください。
参考資料と確認範囲
このページの式、単位、定義、入力条件、適用範囲を確認するために参照した資料です。各資料が支える範囲は「確認範囲」に示します。個別の物性値、製品仕様、法規、設計条件については原典を確認してください。
-
IUPAC Gold Book: ideal gas
確認範囲: Z = 1の理想気体でpV=nRTを使う前提
資料確認日: 2026-08-29
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IUPAC Gold Book: compression factor
確認範囲: Z = pVm/(RT)の定義と、理想気体ではZ = 1であること
資料確認日: 2026-08-29
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NIST: 2022 CODATA Recommended Values of the Fundamental Constants
確認範囲: モル気体定数R = 8.31446261815324 J/(mol K)
資料確認日: 2026-08-29
-
NIST Chemistry WebBook: Oxygen
確認範囲: O2の化学式、CAS番号、分子量31.9988
資料確認日: 2026-08-29
-
NIST Chemistry WebBook: Nitrogen
確認範囲: N2の化学式、CAS番号、分子量28.0134
資料確認日: 2026-08-29
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NIST Chemistry WebBook: Hydrogen
確認範囲: H2の化学式、CAS番号、分子量2.01588
資料確認日: 2026-08-29
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NIST Chemistry WebBook: Carbon dioxide
確認範囲: CO2の化学式、CAS番号、分子量44.0095
資料確認日: 2026-08-29
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NIST Chemistry WebBook: Argon
確認範囲: Arの化学式、CAS番号、分子量39.948
資料確認日: 2026-08-29
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NIST Chemistry WebBook: Helium
確認範囲: Heの化学式、CAS番号、分子量4.002602
資料確認日: 2026-08-29
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U.S. Standard Atmosphere, 1976
確認範囲: 海面基準の乾燥空気代表分子量28.9644 kg/kmol、圧力101325 Pa、温度288.15 K、密度1.2250 kg/m3
資料確認日: 2026-08-29
次に確認する計算
今の入力・結果に必要な条件だけを補います。
理想気体の密度計算
絶対圧、温度、分子量から、理想気体近似によるガス密度を計算します。圧縮係数や混合ガス補正は行わないため、入力前に圧力基準と分子量基準を確認してください。
次に確認する理由: 選択肢にない単一気体について、確認済み分子量を自分で入力したいとき。
混合気体の平均分子量・密度計算
確認済みの組成・分子量・状態条件から、混合気体の平均分子量と密度を概算・検算します。Z = 1 の理想気体近似、または同一温度・絶対圧・組成・dry/wet基準に対応する出典Zを使います。成分名だけで値を採用せず、SDS、仕様書、分析値などで確認した組成と分子量を入力してください。
次に確認する理由: 乾燥空気代表値ではなく、分析済みmol%・dry/wet基準から混合気体の平均分子量と密度を求めたいとき。
圧力換算
Pa、kPa、MPa、bar、atm、kgf/cm2を、同じ圧力基準のまま相互に換算します。絶対圧、ゲージ圧、真空度の意味は別に確認します。
次に確認する理由: ゲージ圧や真空計の表示を、密度式に必要な絶対圧へ整理したいとき。
ここでは次に確認しやすい関連計算だけを表示しています。ほかの計算は 計算ツール一覧 から目的別に探せます。
続けて確認するガイド
現在の条件で不足している前提、単位、適用範囲だけを確認します。
物性値推算で使う出典の選び方|式・係数・適用範囲・検証値の確認
密度、比熱、粘度などを推算式で計算する前に、式、係数、入力値、適用範囲、検証値の出典を分けて確認するためのガイドです。物性値表や係数データベースではなく、推算式計算ページで根拠を記録するための考え方を整理します。
次に確認する理由: 分子量以外のZ、相、組成、適用範囲をどの資料で確認するか決めたいとき。
混合物・非理想系の物性推算で単純平均してはいけないケース
密度、比熱、粘度などの物性値を混合物・溶液・製品グレード・二相状態・非ニュートン流体に使う前に、組成、相、温度、圧力、出典、適用範囲を確認するためのガイドです。混合則や係数表を使う前に、計算してよい状態かを整理します。
次に確認する理由: 理想気体近似や単一物質の選択では不足し、実在気体・混合物として扱う必要があるか判断したいとき。
ここでは入力前に特に確認しやすいガイドだけを表示しています。ほかの前提確認は ガイド一覧 から探せます。