解説
絶対圧・ゲージ圧・真空圧の違い
絶対圧、ゲージ圧、真空圧は圧力の基準が異なります。P_abs = P_gauge + P_atm の関係と、理想気体・標準状態換算で絶対圧を使う理由を整理します。
更新日: 2026-04-14
このページで整理すること
同じPa、kPa、MPaでも、絶対圧、ゲージ圧、真空圧では基準が異なります。圧力の基準を 取り違えると、理想気体計算、標準状態換算、真空条件の解釈を誤ることがあります。
このページでは、絶対圧、ゲージ圧、真空圧の違いと、P_abs = P_gauge + P_atm の関係を 整理します。
絶対圧とは
絶対圧は、完全真空を0とする圧力です。原理上、絶対圧は0 Pa未満にはなりません。
理想気体式 PV = nRT、標準状態換算、気体密度、モル体積などの計算では、通常は絶対圧を 使います。ゲージ圧で与えられている値は、そのまま代入せず、絶対圧へ直す必要があります。
ゲージ圧とは
ゲージ圧は、大気圧を0とする圧力です。圧力計や設備資料では、ゲージ圧が使われることが よくあります。
正のゲージ圧は大気圧より高い状態、負のゲージ圧は大気圧より低い状態を表します。 例えばMPaGやkPaGのように、Gが付いている場合はゲージ圧を意味することがあります。
真空圧とは
真空圧は表記ゆれが大きい言葉です。絶対圧として表す場合、負のゲージ圧として表す場合、 大気圧からどれだけ低いかを正の値で表す場合があります。
そのため、真空圧という言葉だけで判断せず、計器、仕様書、メーカー資料、社内基準の定義を 確認してください。
絶対圧とゲージ圧の関係
絶対圧とゲージ圧は、同じ単位にそろえたうえで次の関係になります。
P_abs = P_gauge + P_atm
P_gauge = P_abs - P_atm
大気圧を標準大気圧101.325 kPaとして扱う場合もありますが、実際の大気圧は場所や天候で 変わります。精度が必要な場合は、計算条件として使う大気圧を確認してください。
圧力換算ツールでできること・できないこと
圧力換算ツールは、Pa、kPa、MPa、bar、atm、kgf/cm2などの単位を換算します。 絶対圧とゲージ圧の基準変換は行いません。
ゲージ圧から絶対圧へ直す場合は、圧力単位をそろえたうえで大気圧を加えてください。 真空圧の表記も自動解釈しません。
計算で絶対圧が必要な場面
理想気体計算や標準状態換算では、圧力は絶対圧として扱います。Nm3、Sm3、Am3のような 気体体積換算でも、基準圧力と実圧力の両方を絶対圧でそろえる必要があります。
圧力換算だけでは扱えないもの
真空ポンプ設計、安全弁設計、耐圧設計、圧力容器の法規判断、配管圧力損失計算、 圧縮性流体の詳細計算は圧力換算ツールでは扱いません。
最終的な設計判断、安全判断、法令判断、購買判断、運転条件の決定には、原典、社内基準、 適用規格、専門家による確認を優先してください。
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よくある質問
絶対圧とゲージ圧の違いは何ですか?
絶対圧は完全真空を基準にした圧力、ゲージ圧は大気圧を基準にした圧力です。
ゲージ圧を絶対圧に直す式は何ですか?
同じ単位にそろえたうえで P_abs = P_gauge + P_atm です。
真空圧は絶対圧ですか?
資料や計器により、絶対圧で表す場合と、負のゲージ圧や大気圧からの差で表す場合があります。定義確認が必要です。
圧力換算ツールで絶対圧とゲージ圧を変換できますか?
単位換算はできますが、基準変換は行いません。大気圧を加減する必要があります。