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解説

質量分率・モル分率・体積分率の違い

wt%、mol%、vol%、ppmは、何を分母にするかで意味が変わります。mg/Lやmol/Lとの違い、分子量や密度が必要になる換算条件を整理します。

更新日: 2026-04-14

このページで整理すること

質量分率、モル分率、体積分率は、全体に対する成分の割合を表します。ただし、分母が 質量なのか、物質量なのか、体積なのかで意味が変わります。

wt%、mol%、vol%、ppmは、数値の倍率表記だけを見ると似ていますが、基準が違うと 直接比較できません。

質量分率とは

質量分率は、成分の質量を全体の質量で割った割合です。wt%は質量分率を100倍した 表記です。ppm(w/w)は質量基準のppmで、mg/kgに相当します。

質量分率をmg/Lやg/Lのような質量/体積濃度へ換算するには、溶液密度が必要です。 この密度は溶媒密度ではなく、対象濃度・温度での溶液密度です。

モル分率とは

モル分率は、成分の物質量を全体の物質量で割った割合です。mol%はモル分率を100倍した 表記です。

質量と物質量を行き来するには分子量が必要です。水和物、無水物、塩、有効成分換算などで 使う分子量が変わるため、計算したい基準を確認してください。

体積分率とは

体積分率は、成分の体積を全体の体積で割った割合です。vol%は体積分率を100倍した表記で、 ppm(v/v)は体積基準のppmです。

液体では混合による体積収縮、気体では温度・圧力・理想気体近似の影響があります。 体積分率から質量濃度へ安易に換算しないでください。

mg/Lやmol/Lとの違い

mg/Lやg/Lは、溶液体積あたりの溶質質量です。mol/Lは、溶液体積あたりの物質量です。 これらは分率ではなく、体積を分母にした濃度です。

mg/Lとmol/Lの換算には分子量が必要です。wt%やppm(w/w)とmg/Lの換算には溶液密度が 必要です。mg/Lをppmと暗黙に同じものとして扱わないでください。

ppmの基準違い

ppmは100万分の1を表す倍率ですが、基準を示す言葉ではありません。ppm(w/w)は質量基準、 ppm(v/v)は体積基準です。資料にppmとだけ書かれている場合は、SDS、分析方法、仕様書、 社内基準で定義を確認してください。

体積分率から質量濃度への換算で必要な前提

濃度換算ツールでは、vol%、ppm(v/v)、mL/Lは体積分率内の換算に限定します。 vol%からmg/L、mol/L、wt%への換算は濃度換算ツールでは扱いません。

液体では溶質密度や混合後体積の扱い、気体では温度、圧力、理想気体近似などが必要です。 不足した前提を推測して換算すると、実務上の誤用につながります。

関連ツールの使い分け

濃度換算ツールでは、mg/L、g/L、mol/L、wt%、ppm(w/w)、vol%、ppm(v/v)などを基準に 注意しながら換算します。

mol、質量、体積の基本換算は、mol・質量・体積換算ツールが関連候補です。気体の体積と 物質量の関係は理想気体計算、気体体積の基準状態換算は標準状態換算を使います。

実務上の注意

SDS、分析表、仕様書、規格値では、%やppmの基準を確認してください。純度、力価、 有効成分換算、法規判断、品質規格適合判定では、原典、社内基準、適用規格、専門家による 確認を優先してください。

関連ツール

関連ガイド

よくある質問

wt%とvol%は同じ%ですか?

同じではありません。wt%は質量基準、vol%は体積基準です。密度などの追加情報なしに同じ数値として扱えません。

mol%とvol%は同じですか?

理想気体では同じ温度・圧力で体積分率とモル分率が近い関係になりますが、液体や非理想系では同一視できません。

mg/Lは質量分率ですか?

mg/Lは質量/体積濃度です。質量分率へ換算するには溶液密度が必要です。

体積分率から質量濃度へ換算できますか?

濃度換算ツールでは扱いません。液体では溶質密度、気体では温度・圧力などの前提が必要になるため、安易に換算しないでください。